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岡田哲『明治洋食事始め』

[洋食] ブログ村キーワード

岡田哲「明治洋食事始め とんかつの誕生」(講談社学術文庫)が中々面白かった。
本書は、講談社選書メチエから出ていた『とんかつの誕生――明治洋食事始め』を文庫化したもの。
食文化史って個人的にかなり興味深いものがある。
この分野のちゃんとした本が手軽に読めるのはありがたい。

明治洋食事始め とんかつの誕生

明治洋食事始め とんかつの誕生


ところで、講談社学術文庫からは2013年3月に小菅佳子『カレーライスの誕生』も出版されている。
興味がある人は一緒に読んでみることをお薦めする。


以下目次。

第一章 明治五年正月、明治天皇獣肉を食す
第二章 牛肉を食わぬ奴は文明人ではない
第三章 珍妙な食べ物、奇妙なマナー
第四章 あんパンが生まれた日
第五章 洋食の王者、とんかつ
第六章 洋食と日本人

「卒業式の歴史学」有本真紀

[卒業式] ブログ村キーワード

有本真紀「卒業式の歴史学」はテーマが結構面白い。こういう社会史・文化史っていいよなあ。
ちょうど3月という刊行時期もタイムリーでいいと思う。

地味にツボに入ったフレーズ「(卒業式ソングを)なぜ歌うのか?」。
――そう言われればその通りですね。なんで歌ってるんだろう?

こういう疑問にも思わなかったことにメスを入れてくれるのがとても面白い。

卒業式の歴史学

卒業式の歴史学


以下目次

第一章 卒業式のはじまり
第二章 試験と証書授与――儀式につながる回路
第三章 小学校卒業式の誕生
第四章 標準化される式典――式次第の確立
第五章 涙との結合――儀式と感情教育
第六章 卒業式歌――「私たちの感情」へ捧げる歌

日下雅義『地形からみた歴史』

[景観] ブログ村キーワード

日下雅義『地形からみた歴史 古代景観を復原する』(講談社学術文庫)が面白い。
地理学、考古学、歴史学という異なる分野の知識を接合することで、古代日本のスタガを明らかにする試み。
もちろん、原本が1991年に発売されたものであるため、今見れば不正確な部分もあるだろう。しかし、こういう分野横断的な試みが実践されていたことは高く評価されるべきだと思う。
それに著者の「地形や環境と人間の活動との関わり」という問題意識は興味深いと思う。

地形からみた歴史 古代景観を復原する

地形からみた歴史 古代景観を復原する


以下目次。

学術文庫版まえがき
第一章 景観の復原と遺跡――はじめに
    1 景観をとらえる
    2 地下からの情報
第二章 大地は変わる
    1 マクロからミクロへ
    2 日本の古代を中心に
第三章 『記紀』『万葉集』に自然の景をよむ
    1 「水門」と「岸」
    2 潮の流れと生活
第四章 生活の場を復原する
    1 水を求め水を避ける
    2 マウンドをつくって耐える
    3 ナイルデルタの「コム」
    4 三角屋敷と盛土集落
第五章 生産の場を復原する
    1 灌漑のおこり
    2 初期の大溝「裂田溝」
    3 「針魚大溝」のルートを探る
    4 「依網池」のナゾ
    5 狭山池と除げ
第六章 消費の場を復原する
    1 港の原風景
    2 紀伊水門と和歌浦
    3 住吉津と津に至る道
    4 難波津の位置をめぐって
    5 「難波堀江」開削の目的と時期
    6 人工港「難波津」の成立
第七章 景観の形成と古代――むすびにかえて
あとがき

小菅桂子「カレーライスの誕生」

[カレーライス] ブログ村キーワード

小菅桂子『カレーライスの誕生』が講談社学術文庫から出た。
日本文化を紹介するブログなどを見ていると、カレーライスについて不正確な意見も散見されるので、本書を読むことでその歴史を追ってみるといい。

正直なところ、私は食そのものについての興味はそれほど強くないが、こういう食文化史という観点から眺めると、料理というものは本当に興味深い様相を呈する。

つくづく文化史というものに魅力を感じるなあ。



目次

プロローグ カレーはじめて物語
第一章 カレー美味の秘密
第二章 カレー伝来の道
第三章 カレー日本史事始
第四章 カレー繁盛記
第五章 カレー二都物語
第六章 カレーの戦後史
エピローグ 日本人の知恵とカレー

『ビールを〈読む〉ドイツの文化史と都市史のはざまで』

[ビール] ブログ村キーワード

森貴史と藤代幸一という二人の研究者による共著。しかしこの二人、38歳も違うんですな。いったいどういう縁で本書を書くことになったのかとても気になります。

ビールを中心に文化史と都市史に関わるエッセイ集といった印象。ビール一つでこれだけ面白いものになるんだから、一時期文化史等がめちゃくちゃ流行ったのもわかる。



 まえがき(森 貴史)

1 帝国自由都市のビール──ニュルンベルク

2 ヴェストファーレンのピルス──ヘアフォート

3 オイレンシュピーゲルの町──アインベック

4 巨大記念碑と火酒の町──デトモルト

5 水郷と大聖堂と燻製ビールと──バンベルク

6 ブラウンシュヴァイガー・ムメの伝説──ブラウンシュヴァイク

7 ゴーゼと鉱山の町──ゴスラー

8 ドナウの畔にて──レーゲンスブルク

9 消えたビールの町──ふたつのナウムブルク

10 ゲーテの愛したビール──バート・ケストリッツ

11 大聖堂とケルシュの町──ケルン

12 世界最古の醸造所を訪ねて──フライジング

13 ベルリーナー・ヴァイセの町──ベルリン

14 竜退治の祝祭劇──フルト・イム・ヴァルト

15 ビール純粋条例──ミュンヘン

  Appendix
  参考文献
  あとがき(藤代幸一

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